夏休みの自由研究!|飛行機はどうして飛べるのか?

みなさま、こんにちは!
埼玉県さいたま市にある子供向けプログラミング教室「ロボ団北浦和校」です。

子どもたちの夏休みも既に後半といったところでしょうか。夏休み前に思い描いていたことはしていますか?

コロナ禍の影響もあり、思ったようなことは出来ないこともあるかもしれません。それでも他にできる遊びはまだいくらでもあるかと思います。新型コロナの予防をしっかりしながら、夏休みだからこそできることをして楽しみましょう!

しかし遊びだけではなく、夏休みの宿題もありますね…!計画通り進んでいますか?工作や自由研究などは時間がかかるので、まだやっていない人は少し急いだほうが良いかもしれません。

実はロボ団北浦和校では、夏季特別講習という事で、「紙飛行機を遠くに飛ばすには?」をテーマに、夏休みの自由研究になるような講習をしました!

そこで、誰もが思う「飛行機はどうして飛べるのか?」という謎。実は、これがとんでもなく難しく、そして興味深い話が隠れていました。今日はそれについて話したいと思います。

紙飛行機ってどうして飛べるの?

上手く折れた紙飛行機は、まっすぐに投げれば遠くに飛ぶはずです。その紙飛行機を眺めたり、あるいは青空に長く尾をひく紙飛行機を見て誰もが一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。「飛行機ってどうして飛べるの?」

今でこそ飛ぶ物体は珍しいものではありません。最近はドローンも身近になってきました。そこまで疑問に思わないかもしれません。しかし紙飛行機はドローンのようにプロペラもないのに遠くまで滑るように飛びます。一体なぜでしょう?

紙飛行機の「4つの力」

紙飛行機を飛ばすとき(または飛ばしたとき)、紙飛行機の周りには目には見えない「4つの力」がはたらきます。

「4つの力」とは、「重力」、「推力」、「抗力」、「揚力」です。

一つ目の「重力」は今現在みなさまにもはたらいている、地面に向かって下に落ちる力です。(もし宇宙からこの記事を読んでいるならはたらいていないかもしれません。)地球にいる限りはこの力から逃れられません。地球上にあるすべての物体には重力がはたらいています。

2つ目の「推力」は前に進む力です。今回は紙飛行機に関してなので、紙飛行機を飛ばすときにはたらく力です。紙飛行機を飛ばすときは、機体を腕の力を使って前に飛ばします。物を投げれば前に飛ぶ、といった単純な話です。

3つ目の「抗力」は前に進むのを妨げる力です。紙飛行機は飛んだ後、目の前の空気にぶつかり続けます。「空気にぶつかって力がはたらくの?」と疑問を持った方は、いくつか確かめる方法があります。自分が走ってみたりあるいは自転車もいいかもしれません。その時に自分の前に風が当たるのを感じるかと思います。それが空気抵抗による「抗力です。

4つ目の「揚力」とは、「重力」とは逆に上に引っ張られるような力です。これが主役と言ってもいいでしょう。紙飛行機も本物の飛行機も野球ボールも、この揚力がはたらいています。

紙飛行機を飛ばしたとき、この「4つの力」がはたらいています。もう予測できた方もいるかもしれませんが、よく飛ぶ紙飛行機」とは、「推力」と「揚力」がしっかりとはたらけばいいわけです。「4つの力」のうち「重力」は変えようがありません。「推力」は単純に言えば投げる力なので人の腕力次第です。しかし、「抗力」と「揚力」は紙飛行機の形次第で決まります。つまり「よく飛ぶ紙飛行機」は、「抗力」(空気抵抗)が小さく、「揚力」が大きいのです。

どうして飛ぶかは分からないって本当!?

さて、「4つの力」を説明しましたが、大事なところを避けて説明しました。「どうして揚力が発生するの?

ドローンのようにプロペラがあれば上に飛ぶ力があると見ての通り分かります。しかし飛行機は?

どうして前に進んでいるのに上に飛んでいるの?どうして前に進むと揚力が発生するの?

実はどうして揚力が発生するのかというのは非常に難しい話が出てきます。

さらにここで「どうして飛行機が飛べるのか」ということを調べると、よく見かけるのが「飛行原理は実はよくわかっていない」という話です。本当でしょうか?実際に飛行機が飛んでいるのに原理は判明していない?そんなことあるのでしょうか?

答えは「No」です。実はちゃんと判明しているそうです。しかしながら、飛行原理に関しては誤解も多いようです。それだけにどうして飛ぶのか、というのも非常に難しい話で、こちらも調べてから「これは高校生でも分からないぞ…」といった内容でした。

なので、今回は簡単な話に限定して話そうと思います。

カギは「ベルヌーイの定理」と「クッタ条件」

よくある誤解の前に、飛行機の翼の周りで何が起きているかを短く説明します。

翼が左向きに進む時、空気は翼の上側と下側を通ります。この時、「クッタ条件」という条件を満たした翼の場合、翼の上面を通る空気は下面を通る空気よりも早く通り抜けます。

上面の空気の流れが速く、下面の空気の流れが速い、ということで、流体(空気)の速さが分かったので、「ベルヌーイの定理」から上面の空気の圧力が低く下面の空気の圧力が高い、ということが分かります。圧力とは簡単に言えば、物体の面が押される力です。

つまり翼の上面の押される力が低く下面の押される力が高い…これにしたがうなら翼は上に押されます。これが「揚力」です。

どうして翼の上面と下面で空気の流れの速さが違う?

さて、「揚力」(上向きの力)が発生するのは、翼の下面の圧力が高く上面の圧力が低くなるからと説明しました。

では、その原因である「どうして翼の上面と下面で空気の流れの速さが違う?」という事に関して、できる限り簡単に書いてみようと思います。(難しい話を簡単に書くため、もしかしたら語弊も生じるかもしれません。その時は申し訳ございません…)

まず、翼に「揚力」が発生するには、その翼が前に進んだ時、「クッタ条件」を満たしていなければいけません。そのためには「翼の後縁(翼の断面を想像したときの一番後ろ側)がとがっている」ことが必要です。

ここで、新しい言葉として、「よどみ点」というものがあります。流体(空気や水)を考えるときに使われる言葉です。これは、流れている中で速度が0となっている点のことを指します。流れる水の中に物体を置けば、その物体の前面と後面には速度が0になる部分が出来ます。水がぶつかっている部分と、水が回り込んでいる部分です。下の画像でいえば点の部分がよどみ点です。

さて、それでは翼が前に進むことを想像してください。翼が前に進めば空気にぶつかります。ぶつかった空気は翼の上面と下面に別れます。

ここで翼が飛び始めた瞬間は、「よどみ点」が翼の上面の後縁(後ろ側)近くにあります。何が起こるかというと、下面を通っていた空気が翼の後ろを回り込んで上面のよどみ点まで来るのです。

この時に空気は、翼がとがっているため翼に沿ってきれいに回り込めません。車が急すぎるカーブを曲がれないように、空気にも同じことが起きています。結果、きれいに回り込めない空気が渦になります。(この渦は「出発渦」と呼ばれています。)

この渦に引っ張られて上面を通る空気は速くなります。飛び始めるにつれて渦は段々翼の後方に置いて行かれます。上面と下面の空気が合流していたよどみ点も段々と後ろ側に下がります。最終的にはよどみ点は後縁(翼の後ろの端)となり、そこで速さの違う上面と下面の空気が合流しています。これが「クッタ条件」を満たした状態です。

よくある誤解

飛行原理は間違った説明をされることが多いようです。なぜ間違った説明がなされるのか、原因はわかりません。しかし飛行原理に関係ある「クッタ条件」や、「クッタ・ジューコフスキーの定理」を読んでいると、直感的な理解は難しい内容で、混乱しやすいのもうなずけます。また、「どうして飛行機は飛べるの?」といった単純な疑問は誰もが持ちます。誰もが分かるように説明するというのは、複雑な話ほど難しいものです。

さて、よくある誤解というのが、「ベルヌーイの定理では飛行原理を説明できない」というものです。

前述にもある通りそれは間違いで、ベルヌーイの定理」によって、「翼の上面と下面で圧力が異なる」ことを導くことができます。ただしそのためにはクッタ条件」によって「翼の上面と下面で通る空気の速度は異なる」ことを説明しなければいけません。クッタ条件」が満たされているからこそ説明が出来るのです。

整理すると、「クッタ条件」によって「翼の上面を通る空気が下面を通る空気より速い」ことが説明でき、「ベルヌーイの定理」から「上面と下面の空気の速さから下面の方が圧力が高い」と説明でき、やっと揚力の正体を説明できるわけです。

そしてもう一つ、よく見る間違った説明というのが、

『「同着の原理」によって、翼の上面の空気が翼の下面よりも早く到着するため、上面の空気の圧力が低く下面の空気の圧力が高い』

という説明です。ここでいう「同着の原理」とは、翼の上面と下面に別れた空気は後縁(翼の上面と下面の終着点)で同時に辿り着く、というものです。そして、翼の上面の距離が下面の距離より長いために、同時に到着する場合は上面のほうが空気の流れが速くなる、といった説明になっています。

しかしながら翼の断面を使って実際に実験すると、翼の上面の空気が速いため、下面の空気より速く辿り着くことが分かります。クッタ条件からも、同じ時間で翼を分かれて通っても同時にたどり着くことはないことが分かっています。

まとめ

今日は「どうして飛行機は飛べるのか?」をテーマに記事を書きました。

できるだけ簡単に…と努めましたが、少々端折りすぎた部分もあるかと思います。より詳しい話を知りたい場合はぜひ自分でさらに資料を集めてみてください。

ただ、前述したように、間違った説明も多くあるようです。様々な媒体から集めて情報をご精査ください。そして、この記事にも間違いがあるようでしたらご指摘いただければ幸いです。

ロボ団北浦和校 体験会実施中!

ロボ団北浦和校は、ロボット製作プログラミングプレゼンテーションなどを通して、子どもたちの知的好奇心や思考力、発想力、コミュニケーション能力を育て、未来につながるようのびのびと学べるロボットプログラミング教室です

ロボ団北浦和校では、子どもたちが楽しみながら学べる体験授業を実施しております!

5月からJAXAとのコラボレーション企画を実施しております!惑星探査機「はやぶさ2」に見立てたロボットを作り、プログラミングでロボットを動かしながらミッションに挑戦していきます! ロボット製作やプログラミングに挑戦しながら、はやぶさ2について楽しく学べます!

ロボ団 北浦和校は北浦和駅から徒歩で約2分程度のところにあります。
京浜東北線の各駅にアクセスできる方や、大宮、さいたま新都心、与野、浦和付近にいらっしゃる方は比較的、簡単にお越しいただけるかと思います。

ロボ団北浦和 付近のマップはこちらから

体験会のお申込みはこちらクリック
以下のQRコードからもお申込みできます

体験会申し込みリンクQRコード(ロボ団北浦和校)

お問合せはこちらをクリック